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ウェブ資料:第2部 平成13年度「青少年教育国際シンポジウム」

whiteout

参照元&ファイル:pdfファイル

上記サイトの引用 目次

■ 各国報告「日本における児童虐待への対応」

Ⅰ(にしざわさとる)西澤哲
大阪大学大学院人間科学研究科助教授

報告者略歴

経歴情緒障害児短期治療施設小松島子どもの家
St.Vincent sSchoolforBoy
大阪府環境促進部健康増進課
専門臨床心理学(トラウマを受けた子どもの心理的ケア)
著書子どもの虐待[誠信書房]
子どものトラウマ[講談社現代新書]
トラウマの臨床心理学[金剛出版]

■ 各国報告「デンマークの青少年問題」

Ⅱ(.)キルステン・グラベセンMsKirstenGravesen
「デンマーク子どもの福祉」子どもと親のホットライン部長NGO

報告者略歴

経歴小学校教師
小学校校長
ホットライン部長

1. 問題を友だち同士で相談できる土壌がある。
2.虐待の問題
3.性についての考え方
4.幼稚園における性的虐待
5.小児性愛とインセスト(近親姦)の問題

■ 各国報告「児童虐待およびに関する対象関係論的理解」

ⅢPTSD キム・ビョンソクDr.KIMByeongseok
壇国大学特殊教育学科助教授韓国青少年相談院相談サービス室長

報告者略歴

経歴ソウル国立大学学生相談センターカウンセラー
アメリカニュージャージー州
専従心理療法士
アランティックメンタルヘルスセンター
韓国青少年相談院相談サービス室長()KYCI
専門個人カウンセリング(主に人格障害)
著書「人格障害の青少年をカウンセリングして」ソウル1996KYCI
「青少年の異常行動」1997

1.児童虐待と人格障害
2.自尊心の低さという問題

■ 児童虐待をめぐる各国の状況」パネルディスカッション

司会:高塚雄介(常盤大学コミュニティ振興学部助教授)
パネラー:西澤哲(大阪大学人間科学研究科助教授)
キルステン・グラベセンデンマーク子どもの福祉子どもと親のホットライン部長)(「」NGOキム・ビョンソク(壇国大学特殊教育学科助教授韓国青少年相談院相談サービス室長)

<討論の概要>

 パネルディスカッションの実質的な時間を保証するために,会場の参加者の質問についてはあらかじめ配布した質問用紙にて受け付けることにした。午前中の西澤氏とキルステン氏の報告については,午前の終わりにこの用紙を回収し,昼休みに司会の高塚氏を中心に質問事項を整理,午後の金氏の報告の質問については,ディスカッションまでの分の休憩時に回収し整理した。高塚氏の司会でまとめた質問のいくつかに答える形でディスカッションを進めることにした。

 韓国ではしつけと称して虐待行為がなされるなど日本と類似の状況があること,学校における体罰が禁止された結果,学級崩壊のような現象も起きていること,学校成績重視の風潮があり不登校の問題も起こっていることなどが話題になった。日本より遅れて高度成長をなしとげた韓国の教育事情と日本との比較が話題になった。一方,デンマークでは,虐待の対応をはじめ崩壊家族に対する先進的な取組みが紹介された。とくにデンマークの里親はすべてプロの里親で,教師やソーシャルワーカーから選ばれた人がさらに専門的な訓練を受け養成されている現状の説明があった。ボランティア的篤志家に頼らざるを得ない日本の状況が浮き彫りになった。また,トラウマを癒す方法としての「すべてを吐き出す」という西洋モデルが果たして日本で有効かどうかについて西澤氏からの提案があった「忘れなさい」という日本流癒しには。地域社会の存在が必要であるという示唆に富む話であった。

1.しつけと虐待行為の関係

高塚:フロアーから寄せられている質問について共通する点をまとめて取り上げたい。まず,金(キム)氏にお聞きしたい。日本では,虐待をしている親が,この行為はしつけであると言うことが少なくない韓国の儒教文化の中で同じような主張はあるのか虐待としつけについてどのように考えられているのか。

金:韓国でも,母親はしつけと思ってきびしい指導をし,虐待とは認めないことがある。自分たちでふりかえることができないのが問題である。カウンセリングを通して,やっとわかるようになる。相談者としては責任を追及するのではなく,心の中にあるものを理解していくようにするのがよい。親は働きに出ることが多くなり,しつけが不十分になっている。親が,子どもとの関係を考えすぎると虐待になりやすい。自分の人生を子どもたちに託して具現化しようとしている面もある。

2.里親制度に関する各国の事情

西澤:キルステン氏,金(キム)氏の二人に質問がある。深刻な虐待の場合,子どもを家族から分離する必要が生じるが,その場合,子どもの受け皿はどうなっているか。

金:里親制度を立法化しようとしている。里親を慎重に斡旋して,その対応について見守る必要がある。

西澤:親と分離された子どものうち,どの程度の割合で里親に委託されているのか。

キル:75%が里親のところに行くことになる。残りが施設に入る。6~8人規模の小規模施設が多い。

西澤:どちらに委託されるかの基準はどうなっているか。
キル:家族の中で生活できるかどうかで判断する里親は教育レベルの高い家庭の親であり全員プロの里親である。しかし,プロとしての訓練が十分でない里親もいる。

西澤:里親のトレーニングはどうなっているか。

キル:ソーシャルワーカーとか教師から選ばれた人が,心理学者その他の専門家に訓練を受ける。

西澤:虐待を受けた子どもたち用の特別なケアプログラムがあるのか。
金:福祉委員会やソーシャルワーカーがチームを組んでやっている。シェルターのような一時保護施設として児童福祉センターがある。ここでプロのカウンセラーが指導し社会的な支援をしている。

西澤:これまで,韓国の情報をもっとほしかった。同じ東洋でありながら日本には韓国の情報が少ない。デンマークはすべての里親がプロであり,しかもサポートされている。米国もプロの里親がたくさんいるが,社会福祉局がバックアップしている。月に2日は社会福祉局のソーシャルワーカーが里親家庭を訪問し,また,24時間体制で電話相談を受けている。社会にシステムが埋め込まれている。日本では,ほとんどボランティアと言ってよい。委託してしまうとそれっきりである。デンマークでは,施設でも子ども一人
,。。ひとりに養育のプログラムが立てられ評価されている治療的な養育が行われている日本では,集団としてのルールだけがあって自分で育ちなさいというシステムになっているが,虐待を受けた子どもたちのニーズに全くあっていない。

高塚:里親は訓練を受けた専門家であるという指摘に心を動かされた。日本では愛情豊かな篤志家であれば里親として受け入れられることが多いため,里親が専門的でないといけないという方向に考え方を変えるのは,なかなか難しい。

3.西洋モデルの適用範囲について

高塚:について,虐待を受けたこどもたちはトラウマとよばれる心の傷を負って,そPTSDの経験から長い年月が経過後も,不安とか恐怖といった症状に苦しむと言われる。このの対処としては,今のところ外国の文献を参考にしていることが多い。心の中にPTSDためこまず,外に吐き出すという治療方法は,間違いないのか。

西澤:西洋のモデルでは,すべてはき出しなさい,泣きなさいということになっている。直面して対決しなさいという。外と内との対決である。日本では対決を避けて忘れることも大切と言われている。このあたりの整理をしないといけない。

■ パネルディスカッションのまとめ
(たかつかゆうすけ)高塚雄介

常磐大学コミュニティ振興学部助教授
経歴中央大学学生相談カウンセラー
早稲田大学総合健康教育センター心理専門相談員
早稲田大学講師、専修大学講師
日本精神衛生学会理事長
日本電話相談学会常任理事
専門精神保険学、臨床心理学、電話相談学、臨床心理士
著書人間関係と心の健康[金剛出版]
学校社会とカウンセリング[学文社]
ひきこもる心理・とじこもる理由[学陽書房]

1.専門家を育成することの大切さ

今回,子どもが抱えているさまざまな問題の中で,特に心に負った傷,つまりトラウマというものに対して,どういうケアが求められているのかを中心に考えてきた。ただ,その問題だけを考えるのではなく,そのトラウマを生む社会的な背景・状況,さらにその国あるいはその地域が有している文化や価値意識などの関連性の中でどうするかも考えなければならない

【後略】

2.スクールカウンセラーとの対比

最近,スクールカウンセラーが制度化されて,全国の学校に配置されるようになってきた。里親にも専門性が必要であるということと重なる点があるので取り上げてみたい。

【後略】

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