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資料:松風委員

○松風委員

 私の方からは社会的養護を進めていくに当たりまして、構成する要素としては、親、当事者である児童、それからサービスを提供します施設、児童相談所も含めました行政、それから地域社会という構成要素があると思うのですけれども、それぞれの役割を責任を含めて明確にしていく必要があるのではないかと。特に行政の役割について、もう少し明確にする必要があるのではないかと考えております。それはいわゆる措置に絡む議論でもありましょうし、また児童の権利行使をどう保証していくのかになろうかと考えています。それともう一つは、社会的養護につきましては、個別支援計画に基づいて、それぞれの個別性に対応できるような専門的対応をするということになっておりますけれども、それを具体的にどう進めていくのかといった、いわゆる方法論も含め、体制論・組織論も議論すべきではないかと考えています。

 それともう一つは、児童の権利擁護のための公正な執行や客観性の担保でございます。一つは児童養護施設の閉鎖性や、施設の独善制への対策をどうしていくのかということで、一つは先ほど言いました行政の役割がここに非常に大きく関与するものであると考えています。児童相談所自身のアドボカシー機能の発揮、それと施設への提供といったようなこと、それからこれはよく言われていることですが、子どもの主体的活動の場。あと第三者性の担保というところで、今、社会福祉法では、各施設における第三者機関の設置や運営適正化委員会の設置で対応することになっておりますが、社会的責任を持って児童を養育していくというシステムの中にあっては、もう少し積極的な対策が必要なのではないかと考えております。例えば行政の監査機能の中に第三者性をどう入れていくかといったようなことを考えなければならないのではないかと思っております。それはどういうことかと申しますと、監査機能といいますのは、行政が監査機能を行いますと施設の運営や職員の設置に目が行くわけでございますが、処遇内容そのものについて、どのように監査機能を発揮していくのかというシステムが必要であろうと。

 そのためには専門性の高い第三者が必要であると考えております。もう一つは児童相談所への権限集中。これは私は行政の一つの窓口として、児童相談所に権限集中するのは仕方がないことだと思っておりますけれども、それに対する公正性の確保のためのシステムを
どうしていくのか。虐待対応が増えて参りますと、いわゆる上級庁への苦情の相談や、不服審査請求が非常に増えて参ります。その中で法的対応について齟齬がなかったかといった側面からの審査はいたしますけれども、処遇内容等、権利擁護が必要ではなかったかどうかいったような側面からの審査ができるようなシステムがいるのかなと考えておりまして、それも検討したいと思っているところです。

 あと、児童養護施設に期待するケアの範囲はどこまでなのかということについての議論が必要かと思っております。大阪におきましては、児童養護施設の中に入所しております知的障害児、軽度の子どもたちですけれども、20%に近い状況になっております。児童養護施設から養護学校や養護学級に通っておりまして、さまざまなプラスアルファの支援が必要な状況が生まれております。

それからもう一つは、先ほど奥山委員からもご発言がございましたが、児童で慢性疾患を抱えている、または医療的ケアが必要な子どもたちの入所がございまして、大阪ではいわゆる以前の虚弱児施設がそういう子供たちを中心にケアしておりますけれども、虐待が今のような状況で増え、かつ医療的ケアが必要であっても家から離さねばならない子どもたちに対して、どういうケアをしていくのか。それは一般的な児童養護施設でどこまでできるのかといった問題。それは同じように乳児院でも起こっております。頭蓋内出血の後遺症を抱えた乳児の入所。それから鼻腔栄養をしていたり、医学的な経過観察が必要な子どもたちが非常にたくさんおります。この子どもたちへのケアをどうするのかということと、併せて幼児の時期の個別対応については積極的に進めていく必要があるのではないかという意見を持っております。

 もう一つは社会的養護拡充の方向について、小規模化や、家庭養護に近づいていくということが議論されていく方向については、そのように行くのだろうと思いますが、そのときの専門性の担保といいますか、子どもたちは小集団になればなるほど、自分が抱えている心の問題を非常に表面化させて参りますので、そのときにどのように対応できるのか。小規模化すればするほど、バーンアウトしたり、施設そのものが崩壊してしまうような状況が生まれてくることについてどう対応するのかについては、非常に重要な問題だと思っております。

 それからさまざまな加算がなされておりますが、本当に個別で多様な子どもたちに対して、どれぐらいのコストをかける必要があるのか。人件費加算という形や、さまざまな加算方式はあるわけですけれども、それをトータルに見て、どれぐらいのコストをかけていくかという計算といいますか、考え方の整理をする必要があるのかなと。それは多様な子どもに応じて必要だと思っております。

 あとは職員の問題です。児童自立支援施設のところでも議論になろうかと思いますが、児童養護施設も含め、生活を支援するという特性から、要するにサラリーマンのように勤めるといった業務形態とのギャップが非常にあります。これをどう埋めていくのかといったことについて、非常に議論をしないといけない。従来の、子どもが好きだから、子供のことを何とかしないといけないという責任感といいますか、そういうことに期待しての社会的養護はもうこれからはなかなか難しいのではないかと考えております。以上です。

○柏女座長

 ありがとうございました。行政の視点から、かなり貴重なご提言、論点をいただいたと思います。それでは西澤委員お願いいたします。

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