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資料:西澤委員

○西澤委員

 西澤です。私はいつもこういう委員会ではペーパーと言われても出す暇がなくて出していなかったのが、今回きちんと出したということは、いかにこの委員会を重要視しているかということ、まずそう思っていただければありがたいと思います。

 もう一つ、今回はいつもに比べて楽だと思うのは、今のままでは社会的養護が無茶苦茶なるという委員のコンセンサスがあるので、私としても非常に議論に参加させていただきやすいと思います。5分というのは非常に短いので、私の考えは主なものしかピックアップしていませんけれどもペーパーを見ていただいたらと思います。これについては少しだけ後で言いますが、その前に最初に出された要保護児童の将来予測については誰も何も言っていないので、これは非常に難しいと思います。要するに目的変数を社会的養育を受ける子どもにして、説明変数として、例えば子ども一般人口、離婚数、SESのばらつき、通報数など、いろいろな説明変数を突っ込んで方程式が出せるか。それは共分数なり何なりを使うのだろうと思いますけれども、厚生労働省の関係としては、確か人口問題研究所というのがそういうことを主にやっていらっしゃるのではないか。もちろん問題意識としては私も持ち帰りますけれども、私たちに期待するよりは、社会動態のプロにも少し参加いただければいいのかなと思いました。

 それから私の書いたものは読んでいただくと十分わかっていただけるのではと思うのですが、一つは例えば子どもたちの心理的なケアのニーズが高くなってきていると言いながら、では心理職員を置こうみたいな形で、治療そのものが子どもたちにとって心の傷をケアする、いわゆる私たちが言う治療的養育ですけれども、そういった治療的養育がいまだに言葉だけで実際の中身は確立されていない。いまだに孤児院時代のケアを引きずっている。それが先ほど松風委員が言ったことにも関連している。小規模化したときに子どもの心の問題があふれ出してきて、どうしようもなくて、そこで逆に施設内虐待が起こってしまったり、あるいはバーンアウトが起こる。ということで、治療的ケアというか、養育をどう確立していくかが、まず非常に大きなテーマだと思います。

 小規模化はいいのだろうと思いますし、これも松風委員が言っていたように、今後も小規模化の傾向は続いていくと思いますが、皆さんにない私の利点としては、実際に児童養護施設の職員を今やっている。非常勤で勤務している。国立大学の教員がそんなことしていいのかという指摘があるかもしれませんが、それは置いておいて、そういうことで実際に私の感覚でやると、6、7人の小舎性なり、グループホームをきちんと運営していくためには、大体子ども1.5人に職員1人の配置が必要になるのです。今の全国平均は知りませんけれども、5年前の全国平均は児童養護施設は3.9対1だったと思います。子ども3.9人に大人1人で、それでやれと言われても小舎性もグループホームも回らないです。数が多くければいいというわけではないですけれども、やはりそういった労働力の担保が絶対に必要になる。すべての施設にそれができないとしたら、それを一種のインセンティブに使って小舎性を進めていく。とにかく私が思うのは、一律にやるのはもうやめましょうと。奥山委員が何カ月か前に福祉特区をつくれと言っていたと思うのですが、そういう発想で一律にやりますというのはもう無理だと思った方がいいのではないかと思っています。

 それからもう一つは今の施設での問題として、これは本当に感じるのですが、この中には学校との連携と書いていますけども、むしろ施設の子どもたちが学校でパニックを起こして大暴れして、人にけがをさせたり自分自身がけがをしてしまって、学校から追放されてしまう。要するに登校停止、出校停止処分になってしまうということが相次いできていて、私がかかわっている施設でも、小学校の2、3年生で1学年に3人ぐらいそういう子どもがいる実態にもなっています。つまり学校自体が虐待を受けた子どもや、今は虐待だけではなくて一般家庭の子どももそうかもしれませんが、抱える力がないという状況の中で、やはり通所機能をどこかで戻さないといけない。この説明の中には、通所プログラムは情緒障害児短期治療施設や児童自立支援施設でありますと書いてありますけれども、私が知る限り、今の情緒障害児短期治療施設や児童自立支援施設の通所プログラムというのは、本来の通所プログラムではないと思います。通所プログラムというのは、例えば学校の時間割みたいなものがあって、心理教育やグループワーク、グループ療法、個別心理療法が時間割のように設定されていて、子どもが日中過ごす。つまり自分の問題を解決して、通常の学校に戻っていけるような、そういうのを通所プログラムと言うのです。情緒障害児短期治療施設のときには概念だけがアメリカから入ってきて、実際にはその中身としては全然やられてないというのが実態だと思います。私も情緒障害児短期治療施設の職員を5年やりましたので、自信を持って言える。そういう通所という枠をどこかで本当に考えていかないと、施設で不適応を起こし、学校からも追い出される子どもたちが、いかに増えるかということがあると思います。

 それから時間があと1分ほどしかないと思いますが、里親についてです。これも制度的なことは庄司委員の方が専門なのでお任せをするとして、私は今、東京の社会福祉法人の子どもの虐待防止センターにかかわっています。子どもの虐待防止センターでは、里親のためのサポートグループをやっています。FCG(里親と子どもの関係を考える会)というのですけれども、要するに虐待を受けて大変な状態の子どもを抱えた里親をサポートするグループワークです。直接にはかかわっていないのですが、そこの内容を見ていると、ものすごい虐待の激しい子どもが里親措置になっているというのは事実だと思うのです。それを里親研修や相談でサポートできるかというと、実際できていないものが、あまり表に出ませんが里親による虐待という事件として現れてきている。

 もう一つ、私が子どもの虐待防止センターでやっているのは、子どもと施設職員の関係を強化するため、つまり愛着という問題に注目して、そのための治療プログラムを提供して2年目になります。これは言っておきますが、共同募金会の研究委託事業ということでやらせてもらっていますけれども、その中にも里親のケースが入ってきます。里親あるいは養子縁組したケースで、虐待の子どもということで、15週間通ってきてもらって、私たちの方でプログラム提供をするのです。それである程度の効果が出てきていると思いますけれども、そういう取り組み、相談支援というのではなくて、もっと積極的に里親なり、これは施設の子どもも一緒ですけれども、治療的介入をするというような試みが必要なのではないか。5分になったのですが、あと1分だけいいですか。

 いろいろなことが気になっています。この数字を見たときに、本当にこの資料を読み込ませてもらわないといけない。例えば情緒障害児短期治療施設の充足率を見たときに、すごく低い所、一番低い茨城は何があったかわかりませんけれども、他は大体軒並み、長野、岡山、仙台は他の理由なのですが、名古屋、京都、これはみんな老舗なのです。つまり初期からあった公立の情緒障害児短期治療施設、そこがすごく充足率が低いということをどう読むか。あるいは子どもの進学に関しては、先ほどおっしゃったように入学金などの援助をいただいたのはあるのですが、もう少しそこで指摘された項目に、こんなことをしました、こんなことがありますというのではなくて、もっとストラテジックに考えられないか。つまり子どもの大学進学率が低いのは、例えば児童福祉法が基本的に18歳までしかカバーしないから、その後子どもが放り出されるというのが一つありますよね。それから実際に子どもたちに学習意欲がないから学力低下の問題が当然ありますよね。あるいはモデルがないのです。

 自分たちの中で、例えば大学に進学ができるということが見えていない。考えると、例えば私がかかわっている施設では、4年制の昼間の大学の進学をサポートし、かつ、その子どもを施設の持ち出しで施設の敷地内の昔の寮を利用して住まわせているのです。それを見た子どもたちが自分たちでも行けると、発想が変わって頑張る子どもも増えてきている。それは一つの例ですけれども、要するに大学進学率を伸ばすために、この事業をやりましたというのでは、あまりにもこの委員会としてはお粗末で、もっとパラダイムを変えるというか、ストラテジックに考えていく。ものすごく遠い課題もあると思いますが、それを今出しておくというのが、先ほど奥山委員が言ったように、時代の方が追い越していくということに対する一つの予防策かと。一例ですけれども、あとはこの資料を読み込ませていただいて、何を意味しているのかをもう少し私としては洗いたいと思います。すみません。2分超過しました。

○柏女座長

 ありがとうございました。それでは山縣委員、よろしくお願いいたします。

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